免疫細胞の研究で本庶先生がノーベル賞を受賞された。
日本の研究者の受賞は本当に嬉しい。
だが
いつも思う。
その内容をもう少し上手に報道できないものだろうか。
ガンの薬の機能についての説明がテレビで再三されているが
本庶先生はガンの薬の研究を直接的になさっていたわけではないだろう。
免疫細胞の基礎研究の成果である。
免疫という言葉はみな知っている。
だが説明できる人は少ない。
免疫力アップ、などと気軽に言う割に、みなその実をしらない。
せっかくのチャンスなのだから
免疫ってなに?という
その基礎に立ち返った説明を
わかりやすくしてくれたらよいのにと
だんだん不機嫌になってきた今宵の私。
この夏まで生命科学の講義をしていたので
こんな素晴らしい機会はないのにと心底思う。
山中先生がiPS細胞でノーベル賞を受賞された時は
1日その講義をした。
学生が関心を持つ最良のチャンスだと思ったからだ。
そして今
みんなが簡単に使う免疫という言葉の意味と機能を
学ぶチャンスが来たのに
ガンの薬としてのすばらしさや価格などの話題にすり替わっている。
つくづくと
自然科学の基礎研究の評価の低さと
とりまくマスコミ含めた周囲の意識のなさが
悲しい。
生き物の仕組みはすばらしい。
それを学ぶよい機会でもある。
せめて私は今一度学び直そうと思う。
そして機会をつくり、
もう生命科学の授業はしないが
いろいろな機会にごいっしょする生徒さんたちに伝えていこうと思う。
ものすごく真面目に頭をかかえた10月1日の夜でした。